「商工中金寄附講義」終了報告(2014年度~2021年度)

設立趣旨

一橋大学経済学部/経済学研究科では、2014年度から2021年度まで商工中金寄附講義「現代経済論D 中小企業の経済学」を開設しました。この講義は、わが国経済のなかで重要な地位を占める中小企業について理解を深めることを通じ、ビジネスや政策において中小企業と関わる有能な人材を育成することを目的にしたものです。

上記の目的を達成するためには、(1)わが国中小企業の特徴、現状、および問題点についての知識を獲得する、(2)中小企業金融、中小企業政策についての実務的な観点から理解する、(3)上記2項目の理解を踏まえ、金融等ビジネス面や政策面から中小企業に関わることの意義と今後のあり方についての考察を深めることが重要であると考えています。

そこで、本寄附講義においては、わが国中小企業の実態と金融・政策対応について主に商工中金の役職員が講義を行い、実態面については、経済理論との関連性に留意しつつ、雇用、国際化、事業承継等多面的な視点から、出来るだけデータや実例に即した形で、中小企業の具体的イメージを明らかにしました。さらに、金融・政策対応については、金融面では企業審査・融資の実務、中小企業金融の先端手法等を紹介し、政策面ではその意義や歴史的経緯、政策の実際面を解説しました。また、経営者ゲストスピーカーを招聘し、中小企業経営者の生の声に触れてもらう機会を設けるべく、特別講義を学期中2回実施しました。


運営責任者

一橋大学大学院経済学研究科 教授 岡室 博之 

一橋大学大学院経済学研究科 非常勤講師 辛島哲郎・清水紀男・町田崇男・櫻井正・本幡克哉 


刊行物


商工組合中央金庫編/岡室博之 監修
『中小企業の経済学』 千倉書房刊


講義アーカイブ